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8割の地点 米軍騒音減 8月 岩国基地周辺の山口・広島 艦載機、空母と長期航海

 米軍岩国基地(岩国市)周辺の山口、広島両県の騒音測定地点で8月、滑走路の沖合移設前の年平均と比べ「うるささ指数(W値)」が8割の地点で減少したことが分かった。厚木基地(神奈川県)から移転した空母艦載機が同月中旬、岩国を離れていることが影響したとみられる。

 国と山口県、岩国市が設置した騒音測定器のうち、2010年5月の沖合移設前の09年度からあった計24地点で平均値の増減を比較した。今年8月(月間平均)と09年度(年間平均)では8割の19地点で減少。一方、大竹市の阿多田島や岩国市装束町など5地点では悪化した。

 艦載機約60機は今年3月に岩国基地への移転が完了。直後の4、5月の同様の比較では過半数の13地点で騒音が増加していた。艦載機を搭載した空母は8月14日から長期航海に出ており、艦載機の運用状況が基地周辺の騒音変化に大きく影響した格好だ。

 国は騒音対策で滑走路を約1キロ沖合に移設。山口県は移設前と比べ、基地周辺の騒音が悪化しないことなどを艦載機受け入れの条件としていた。村岡嗣政知事は昨年3月、国の騒音予測などに基づき「全体として悪化しない」と判断している。同県岩国基地対策室は「騒音は日々の米軍機の運用で大きく増減する。一定期間の検証が必要だ」としている。(和多正憲)

(2018年10月13日朝刊掲載)

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