×

ニュース

被爆者運動の先駆け 日詰さんの思い 後世に 資料館で足跡語る会

 戦後の広島で初期から被爆者運動を担い、海外の証言活動の先駆けの一人だった日詰忍さん(1994年、91歳で死去)を語る会が13日、広島市中区の原爆資料館であった。市原爆被害者の会の主催で約40人が参加した。

 同会のメンバーは、日詰さんが爆心地から約2・3キロの皆実町(現南区)で被爆し、夫と3人の子どもを失ったなどと足跡を説明した。原爆投下の約10年後から英国や当時の西ドイツで証言活動を重ねたことにも触れ、「草の根の活動を生涯にわたって続けた」と紹介した。

 生前に親交のあった人たちも登壇した。安佐南区の畠山裕子さん(79)は、米国の核実験計画に対して一緒に抗議の座り込みをした経験を振り返り、「未来の子どもたちのために反核を強く訴え続けた姿に支えられた。遺志を受け継ぎたい」と思いを新たにしていた。(新山京子)

(2018年10月14日朝刊掲載)

年別アーカイブ