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「核の脅威 学び伝えて」 元米国防長官が訴え 広島 ネット中継 若者と対話 ゼロプロジェクト

 米オバマ政権に先立ち、「核兵器なき世界」を提唱した元米国防長官のウィリアム・ペリー氏(91)と被爆地をインターネット中継で結び、核兵器廃絶への課題を語り合うワークショップが14日、広島市中区の旧日本銀行広島支店であった。

 広島や各地から集った20代の若者たちと1時間にわたり議論した。かつて米政権の核政策に携わり、冷戦時代の核軍拡競争を熟知するペリー氏は現在、軍縮教育に力を入れる。「核兵器が多いほど自国を安全にする、という考えは誤った思い込みだった」と強調し、「核兵器の脅威がますます深刻化している実態を学んで周囲に伝え、広めてほしい」と参加者に説いた。

 兵庫県三田市の大学院生古川哲さん(23)は「核抑止力についての認識自体を根本から問い直すペリー氏の言葉に、刺激を受けた。核兵器を巡る考えが一致しない相手と語り、理解し合うにはどうすべきか探っていきたい」と話した。

 ペリー氏との対話は広島国際文化財団協賛の「ヒロシマ・ナガサキ ZERO PROJECT(ゼロプロジェクト)」の一環として最終日に企画され、ルポ「ヒロシマ」の著者ジョン・ハーシーの孫で、同プロジェクトを提唱したアーティストのキャノン・ハーシーさん(41)らも加わった。(金崎由美)

(2018年10月15日朝刊掲載)

 ことしの「ZERO PROJECT」で、中国新聞ジュニアライターが10月7日に旧日本銀行広島支店で行われたワークショップで制作に携わった作品を、以下のアドレスから見ることができます。被爆樹木がテーマで、ジュニアライター7人が生き残った木の気持ちになって書いた詩を、米国の映像作家ピーター・ビル氏のハイスピード映像と組み合わせたものです。

  http://1future.com/creative-workshop-with-hibukujumoku/

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