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平和公園に落書き 3ヵ所 広島中央署が捜査

 広島市中区の世界遺産・原爆ドームそばの石のベンチなど平和記念公園内の3カ所で15日、黒いスプレーのようなもので書かれた落書きが見つかった。広島中央署は、器物損壊の疑いで捜査を始めた。観光客たちは「平和を祈る場でなぜこんなことが…」と憤った。

 市などによると、ベンチの落書きは直線と曲線が交差した模様で、約30~40センチ四方だった。他に見つかったのは、韓国人原爆犠牲者慰霊碑近くのごみ集積場の扉と免震工事中の原爆資料館本館を囲むフェンス。アルファベットや数字を組み合わせたようなものが書かれていた。

 15日午前6時15分ごろ、警備員がごみ集積場の扉の落書きを見つけ、市に連絡。その後、他の場所でも見つかった。14日午後10時に警備員が巡回した際は確認されていないという。市は午後10時以降に書かれたとみている。

 妻、孫と同公園に来ていた西区の川口信夫さん(69)は「原爆の犠牲者を慰霊する場に落書きをするなんて考えられない。全国の学校や海外から学びに来る人も多くいるのに残念」。沖縄県浦添市から原爆ドームを訪れた主婦銘苅(めかる)絹江さん(66)は「戦争で犠牲になった人への侮辱だ」と憤った。

 同公園では2012年9月、原爆慰霊碑が赤いスプレーで落書きされた。市緑政課は「防犯カメラを増やすなど対策を検討したい」としている。

(2018年10月16日朝刊掲載)

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