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被爆者運動 継承に課題 日本被団協 新潟県組織 解散協議へ

 日本被団協は17日、東京都内で全国都道府県代表者会議を続け、被爆者運動を次代につなぐ方策を話し合った。新潟県の代表は、来春から県組織の解散に向けた協議に入ると報告。会員の高齢化が進む中、活動を続けていく難しさがあらためて浮き彫りになった。

 新潟県原爆被害者の会事務局長を務める被爆2世の西山謙介さん(70)が「極めてつらい決断だが、会を閉じるため具体的な作業に入りたい」と発言した。来春、新潟市で開く総会で解散準備に入ることの是非を議題にする予定という。

 同会は1966年に結成し、原爆犠牲者の追悼や反核署名を続けてきた。同県内の被爆者健康手帳の所持者約90人のうち、会に登録しているのは30人足らず。近年は役員のなり手がおらず、父が広島で被爆した西山さんが事務局長を担う。財政面も厳しいという。

 一方、他県の代表者からは「1人になっても県被団協の旗は降ろさない」との声が出た。被爆2世や一般市民を巻き込んだり、近県の組織と連携したりしながら活動を続けている事例も紹介された。

 核兵器禁止条約の早期発効に向けた署名活動の強化を掲げるアピールも採択。2日間の全日程を終えた。

 続いて被団協の二世委員会が交流会を開き、全国の被爆2世たち約30人が参加した。昨年12月、同委員会が都道府県の被爆者団体を対象に被爆2世組織の有無などを調査した結果も報告。調査票の回収後の発足を含めると、17都道県に2世組織があり、2013年の調査より5道県で増えたという。(田中美千子)

(2018年10月18日朝刊掲載)

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