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ヒロシマ情景 日韓の絆問う 写真家藤本さん 東京で個展

 出雲市出身の写真家藤本巧さん(68)=奈良県=の個展「ヒロシマ―平和への門は 隣人愛によって」が、東京都渋谷区のギャラリーで開かれている。原爆ドーム、平和記念公園など被爆地広島の情景を活写している。28日まで。

 昨年2月から今年8月にかけて撮影した白黒写真のパネル約30点。逆光が差し込む原爆ドームの前をランナーが横切る日常や、韓国人原爆犠牲者の慰霊祭で民族衣装をまとう参列者の穏やかな表情を切り取った作品などが並ぶ。旧日本銀行広島支店、旧広島陸軍被服支廠(ししょう)といった被爆建物、世界平和記念聖堂なども題材にした。

 藤本さんは1970年から半世紀近く、朝鮮通信使などをテーマにした写真展を日韓で開いてきた。今回の作品にも、平和や日韓の友好の在り方を問う思いを込めたという。「文化交流を築いた歴史のある国同士なのに戦争により一瞬で平和が崩れた。友好はもろく、大事に守らないといけない」と話す。ギャラリーTOM☎03(3467)8102。(桑原正敏)

(2018年10月24日朝刊掲載)

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