×

ニュース

山口県阿武で現地調査 地上イージス計画で防衛省

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の山口県への配備計画で、防衛省は8日、候補地の陸上自衛隊むつみ演習場(萩市)に隣接する阿武町で現地調査を始めた。年内に予定するボーリング前に地下水の影響を調べる。一方、同町では花田憲彦町長が配備計画に反対し、地元の一部自治会も各世帯の井戸を調査に使わせないなど協力拒否を決めている。

 初日は、演習場そばの同町宇生賀(うぶか)地区などの簡易水道2カ所で実施。中国四国防衛局の職員たちが水質などの検査用に地下水を採取した。ボーリング中や事後にも調べ、変化を確認する。萩市むつみ地区では10月29日から同様の調査を進めている。

 国は町内の民家の井戸も調べる予定だが、配備計画に反対する地元の宇生賀中央自治会(53世帯)は全会一致で調査拒否を決定。この日、同自治会や萩市の住民団体から5人が調査現場に駆け付け、無言で作業を見守った。自宅に井戸がある吉岡勝会長(65)は「配備ありきの調査。協力するつもりは全くない」と憤る。

 国は9日から町内の民家を回り調査への協力を要請する。同局は「配備に適地かどうかを判断するために必要な調査。丁寧に理由を説明し、理解を得たい」としている。(和多正憲)

(2018年11月9日朝刊掲載)

年別アーカイブ