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原爆詩で紡ぐオラトリオ 広島で11日 「鳥の歌」演奏会

 原爆詩で構成するオラトリオ「鳥の歌」の演奏会が11日午後2時から、広島市中区の広島県民文化センター多目的ホールである。原民喜や峠三吉、栗原貞子、土屋清たちの詩を基に構成した歌で、合唱の出演者たちが仕上げの練習に励んでいる。

 「鳥の歌」は、奈良市の作曲家尾上和彦さん(76)が手掛けた。尾上さんは10代の頃に栗原の詩集に衝撃を受け、ヒロシマを描くことをライフワークの一つにしてきたという。演奏会は男女の独唱に加え、広島中央合唱団とNHK広島児童合唱団の団員たちが出演し、指揮は寺沢希が務める。

 両合唱団の合同練習には、尾上さんも駆け付けた。「黒い雨」という言葉の歌い方について「雨は黒いはずがない。その恐ろしさを自分の中で想像して歌って」と語り掛けた。

 尾上さんは「混迷する社会の中でヒロシマが語るべきものは何か、子どもを鳥に化身させて語らせた作品。今の広島の子どもたちが歌う意義は大きい」と力を込める。

 前売り・予約は一般3千円、中高生2千円、小学生千円(当日は各500円増し)。主催の「ひろしま音楽と朗読の会」事務局☎090(1181)3075。(石井雄一)

(2018年11月9日朝刊掲載)

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