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岩国基地のFA18墜落 那覇沖 乗員2人救助 艦載機移転後初

 12日午前11時45分ごろ、那覇市の東南東約290キロの海上で、米軍岩国基地(岩国市)所属の空母艦載機FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機1機が墜落した。乗員2人が緊急脱出し救助されたが、いずれも命に別条はないという。岩国基地に移転した空母艦載機の墜落事故は初めて。

 中国四国防衛局(広島市中区)から岩国市などに入った情報によると、事故機は艦載機を運用する米海軍の第5空母航空団に所属。日米共同訓練中の空母ロナルド・レーガンを発艦後、エンジントラブルで墜落した。米海軍第7艦隊はホームページで事故はフィリピン海で通常の運用中に発生したとする。

 岩国市や山口県などでつくる県基地関係県市町連絡協議会は近く原因究明や再発防止を岩国基地などに要請。在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)は中国新聞の取材に「調査を徹底し原因を特定する」と答えた。

 岩国基地では3月末、4機種の艦載機約60機の移転が完了。うち約8割をスーパーホーネットが占める。

広島県、究明申し入れ 防衛局に 市民団体は不安の声

 米軍岩国基地所属の空母艦載機FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機1機が那覇市沖の海上に墜落した事故で、広島県は12日、事故原因を早期に究明して再発防止を徹底するよう、中国四国防衛局に緊急で申し入れた。県内の市民団体からは不安の声が上がった。

 県国際課によると12日午後1時5分ごろ、中国四国防衛局から、那覇市沖の海上でFA18戦闘攻撃機1機が墜落したとの連絡が入った。県は所属先を「岩国基地の可能性が高い」として、口頭での申し入れに踏み切った。県国際課の山本耕史課長は「正確な事実関係が判明すれば、あらためて正式な要請などの対応を検討する」としている。

 事故機は空母ロナルド・レーガンを発艦後に墜落したとされる。廿日市市の市民団体「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」の坂本千尋共同代表(65)は「岩国基地を発着する機体が墜落した。今後、同型の空母艦載機が岩国基地へ戻ると考えると怖い」と強調。「もし基地の近くで落ちていたら、周辺住民に影響があったかもしれない。市民の不安は一層増した」とし、同型機の国内からの全面撤去を求めた。(樋口浩二、山瀬隆弘)

(2018年11月13日朝刊掲載)

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