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核廃絶へ「命ある限り」 東京の被爆者団体「東友会」 60年式典

 結成60周年を迎えた東京都の被爆者団体「東友会」が18日、都内で記念式典を開いた。出席した役員や支援者たち約150人は、核兵器廃絶と被爆者救済を訴え続けた歩みを振り返り、「命ある限り運動を続けよう」と誓い合った。

 広島で被爆した大岩孝平会長(86)が冒頭、「核兵器禁止条約が国連で採択されたとはいえ、世界から核をなくす運動はこれからが本番だ。70歳代を中心にますます運動を盛り上げていく」とあいさつした。

 続いて1958年の結成時から、核廃絶や原爆被害への国家補償を国に訴えるなどしてきた活動を写真スライドで紹介。被爆者健康手帳取得などの相談事業は、今も担当者5人で年約1万8千件を受け付けている、と説明した。ナレーター役の役員が「語ることのできない死者に代わり、核戦争の悲惨さを訴え続ける」などと宣言すると、会場から拍手が湧いた。

 東友会は90年代に地区組織が48あったが、被爆者会員の高齢化などで休会が相次ぎ、28に減っている。一方、運動に関わる被爆2世の数は着実に増えている。

 式典ではこのほか、活動を支える医師、弁護士たちの表彰があった。世界の核情勢を学ぶ講演会もあった。(田中美千子)

(2018年11月19日朝刊掲載)

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