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旧満州開拓団「記憶継ぐ」 世羅で慰霊祭

 世羅郡出身者たちが中心になり旧満州(中国東北部)へ入植した上金馬開拓団の慰霊祭が18日、世羅町甲山であった。「二世の会」の主催で町内外から約20人が参列。開拓記念碑前で悲惨な記憶を繰り返さないと誓った。

 同開拓団は1940~45年に家族を含む約750人が旧満州へ渡り、戦災や過酷な生活で約200人が亡くなった。慰霊祭では大工谷博旦会長(尾道市)が、先人に聞いた話などを基に追悼文を読んだ。帰国への思いで懸命に命をつないだ様子に触れ「戦争は勝っても負けても不幸のみです」と訴えた。

 二世の会が慰霊祭を2015年に復活させ、ことしは3年ぶりに開催。善行寺(世羅町)の真澄瑛智前住職たちが読経し「無関心と忘却、諦めが最も危険」と呼び掛けた。満州開拓や生活の様子を伝える証言会もあった。(神下慶吾)

(2018年11月19日朝刊掲載)

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