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「黒い雨」熱演 伝承を誓う 学習発表会で神石小6年生

 神石高原町福永の神石小の児童が18日、同町が舞台の一つとなった井伏鱒二の原爆小説「黒い雨」の劇を発表した。同町の故重松静馬さんの被爆体験記が小説の基となったことを学び、集大成として作中のシーンを再現した劇を創作した。舞台上で、原爆の悲劇の伝承者となることを誓った。

 児童は4月から、小説の成り立ちを伝える資料館「歴史と文学の館 志麻利」などで学習した。静馬さんの養女の夫で同館館長の重松文宏さん(82)と小説の舞台を巡り、映画「黒い雨」も見て物語の理解を深めた。

 同小6年の11人が約40分の劇で、体育館での学習発表会で保護者たちに披露した。黒い雨を浴びた主人公のめい矢須子が、原爆症に苦しむシーンなどを演じた。被爆体験記が残されたのは「未来へ伝えることが大切だと思ったから」と強調。「この町から原爆の恐ろしさを伝えていく」と訴えた。

 矢須子を演じた岩本彩希さん(12)は「平和の大切さが改めて分かった。次の人たちにも伝えていく」と話した。(高本友子)

(2018年11月20日朝刊掲載)

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