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植栽で背景遮断/法的高さ制限 広島市審議会 答申へ 原爆ドーム・慰霊碑結ぶ景観

 平和記念公園(広島市中区)の原爆ドームと原爆慰霊碑を結んだ線上の眺望景観について、市景観審議会は22日、植栽で背景の建物を隠し、法的な高さ制限の導入を求める答申をまとめた。12月にも松井一実市長に答申する。

 答申は原爆資料館本館の下から北側を見た際、ドームの背景に建物が何も見えない状態を目指すべき姿として設定。現在、市の要綱でドーム周辺の建物の高さに基準を設けているものの強制力がないため、法的な制限を求めるとした。今より数メートル高い木を植えるなどして建物を見えなくし、ドームへの見通しを遮る木は別の位置へ移植。この効果を踏まえた上で、制限をかける高さや範囲を設定するよう促している。

 昨年3月に諮問を受けた審議会が設置した専門部会は、計4回の会合で素案をまとめた。この日、市役所であった審議会で答申を了承した。広島大名誉教授で審議会の杉本俊多会長は「平和都市固有の価値ある景観を守り、形成していく都市づくりに向け、歩みが一つ進んだ」と話していた。

 市は答申を受けた後、「眺望景観のあり方」を策定し、再び審議会に諮って具体的な法規制を決める。(江川裕介)

(2018年11月23日朝刊掲載)

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