×

ニュース

友田さん 苦難の半生語る 原爆孤児になり 朝鮮半島へ 中区で聞く会

 広島市の市民団体が中区の合人社ウェンディひと・まちプラザで25日に開いた「被爆・戦争体験を聞く会」で、被爆者の友田典弘(つねひろ)さん(82)=大阪府門真市=が、原爆孤児となって朝鮮半島に渡った人生を語った。郷里での語りを市民たち約140人が聞いた。

 友田さんは袋町国民学校(現袋町小)4年生で9歳だった当時、爆心地から約460メートルの校舎地下室で被爆した。「ピカッと光って地下室から出ると、弟が死んどった」。一緒に登校した幸生さん=当時(8)=を亡くし、比治山まで避難したあの日を振り返った。

 自宅に下宿していた朝鮮人男性と朝鮮半島に渡り、朝鮮戦争では「弾が飛んでくるのを見た」という。日本に帰りたいが帰れなかったつらい過去に触れ、「原爆は二度とあかん」と訴えた。

 参加者は袋町小平和資料館でも、被爆した当時の様子を聞いた。中区の主婦新谷美樹子さん(64)は「言葉が通じない国での苦しい生活の話が印象的だった。核兵器は良くないと改めて感じた」と話した。(山川文音)

(2018年11月26日朝刊掲載)

年別アーカイブ