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本館 10連休前に再開館 原爆資料館 広島市が方針

 広島市が、展示をリニューアル中の原爆資料館本館(中区)について、皇位継承に合わせた来年4月27日からの10連休前に再オープンする方針を固めたことが26日、分かった。例年、ゴールデンウイーク(GW)は来館者が多く、4月下旬で調整している。連休中に東館とともに全館を見学できるようにし、新たな展示を通じて多くの市民に被爆の実態を伝える。

 資料館本館は、展示の更新を終えた東館が2017年4月に再オープンしたのに合わせて閉館した。米国の原爆投下による犠牲者の遺品を中心にした「実物資料」を重視し、被爆の実態を伝える新たな展示の整備に取り組んでいる。耐震化工事についても、被爆75年となる20年の平和記念式典に間に合うよう進めている。

 市は当初、18年春の改装全館オープンを目指していたが、「過去の施工部分に不良箇所が見つかり、追加工事が必要」「大型展示資料を動かしながらの工事に想定以上の作業量が生じる」などとして、時期を19年春に延期していた。工事の進展状況や、政府方針で来年のGWが10連休となるのを踏まえて、開館日を調整している。

 GWは資料館の来館者が最も多い時期の一つ。今年の期間中のピークだった5月4日には、昨年度の1日平均の約2倍となる1万452人が訪れている。(水川恭輔)

原爆資料館のリニューアル
 本館を「被爆の実相」、東館3階を核実験被害などを巡る「核兵器の危険性」、東館2階を復興や平和活動に関する「広島の歩み」と位置付けて再整備する。本館では、米軍の原爆投下で犠牲となった動員学徒が被爆時に身に着けていた学生服、かばんなどを集めて並べる「集合展示」などが設けられる。東館は既に展示改装を終え、先行して17年4月に再オープンした。

(2018年11月27日朝刊掲載)

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