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平和への思い 世代超え共有 サーローさん、三次高訪問

 広島市南区出身の被爆者で、昨年12月に非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))を代表してノーベル平和賞授賞式で演説したサーロー節子さん(86)=カナダ・トロント市=が30日、三次市の三次高を訪れ、約580人の生徒と交流した。

 サーローさんは、同校訪問のきっかけとなった、演説に感動した同校の生徒からの手紙へ感謝の意を伝え、被爆体験や反核運動の歩みを語った。「あなたたちの将来が安全で人道的なものになるよう、一人一人が責任を持って行動してほしい」と述べた。

 対話の時間では、生徒が質問や思いをぶつけた。3年の雲井絢子(あやこ)さん(17)は「演説を聴き、私は紛争地域で苦しむ人を救う看護師になり、平和のために尽くしたいと思った。影響を受けた若者もいると知ってほしい」と訴え、これに対し、サーローさんは「感動で言葉が出ない」と答えた。

 サーローさんの答えに、雲井さんは「一層頑張ろうと思った」と話した。サーローさんは「演説に込めた思いを引き継いで、しっかりと考えてくれる若い人がいると思うだけで、励ましになる」とうなずいていた。(八百村耕平)

(2018年12月1日朝刊掲載)

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