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朗読で知る 被爆作家の記 北広島出身の大田 廿日市で8日

 被爆作家大田洋子(写真・1903~63年)の作品の朗読会が8日午後2時半から、廿日市市の四季が丘市民センターである。自らの被爆体験を基にした小説「屍(しかばね)の街」が同市玖島で書き上げられた縁を知り、大田の作品を収集する市職員が企画した。

 朗読会では、自身の妹と母を題材に、戦後復興の中で取り残され、苦しむ被爆者の姿を描いた「ほたる」を取り上げる。現北広島町出身の大田が、中国山地への愛着をつづった随筆「愛するふるさと」も紹介する。広島で活動するアナウンサーたちでつくる「ひろしま音読の会」のメンバーが朗読する。

 大田の作品は絶版が多く、入手しにくいとされる。玖島出身で同センター主幹の平本伸之さん(53)は、著書全26冊を十数年かけて収集。玖島ゆかりの作家を知ってもらおうと2006年、地元公民館であった大田洋子展で著書などを展示した。

 朗読会は今年3月に初めて実施。好評のため、2回目の開催を決めた。会場には全著書を並べる。平本さんは「大田さんは多くの重要な原爆作品を発表した。読み直す機会になれば」と願う。無料で予約不要。定員100人。☎0829(38)3365。(森戸新士)

(2018年12月6日朝刊掲載)

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