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岩国基地 時間外運用頻発 墜落2機も該当か 11月下旬以降

 米軍と海上自衛隊が共同使用する岩国基地(岩国市)で11月下旬以降、滑走路の運用時間(午前6時半~午後11時)外の離着陸が相次いでいる。6日未明に高知県沖で墜落した米海兵隊機2機も時間外に離陸した可能性がある。一方、基地は市への時間外運用の通知で米軍機か海自機かを明らかにしなくなり不透明さを増している。(松本恭治)

 市によると、基地周辺の騒音測定器は11月21日から今月6日までの間、運用時間外の航空機騒音を計32回記録。うち24回が午前4、5時台だった。6日午前1時前には尾津町で91・0デシベルを計測。その約50分後、空中給油を含む訓練中だったKC130空中給油機とFA18ホーネット戦闘攻撃機が墜落した。

 深夜未明の離着陸や飛行は騒音による市民生活への影響が大きく、墜落など事故のリスクも高まる。市や国、基地でつくる「岩国日米協議会」は確認事項で運用時間を定め、時間外の場合は「市に通報する」としている。

 だが最近はもともと曖昧な「通報」はさらに分かりにくくなっている。米軍は9月から突然、海自に代わり海自機の時間外運用でも事前通知を開始。11月下旬以降は米軍機か海自機かを明かさず、直近は具体的期間も示していない。市内部からも疑問の声が上がる。

 海自機の時間外運用は従来、事前に通知、報道発表されてきたのに対し、米軍機は事後の判明が目立っていた。空母艦載機のパイロットが九州沖で着艦資格取得訓練(CQ)をしていた5月末と、9月には事前公表があっただけに現在は情報公開が後退している。

 海自は時間外運用のたびに市へ離着陸回数の実績を報告していたが、通知主体が米軍に移ってからは途絶えた。市基地政策課の村上武史課長は「住民の不安を取り除くため、できるだけ具体的情報を伝えたい。今後も米軍に時間外運用の事前通知と従来通りの情報を発信するよう求めていく」としている。

さらに1週間 時間外運用か 米軍側、岩国市に連絡

 米軍岩国基地(岩国市)は7日、任務飛行のため、8日から約1週間にわたり運用時間(午前6時半~午後11時)外に航空機が離着陸する可能性があると、岩国市に連絡した。具体的な期間や、米軍機か基地を共同使用する海上自衛隊機かは明らかにしていない。

 市は基地に対し、6日に米海兵隊機2機が墜落するなど「相次ぐ事故により市民の不安や懸念が増大している」と指摘。「今回の時間外運用は(6日の事故に伴う)捜索活動のためと推測する」としつつ、それ以外あれば自粛すべきだと申し入れた。

 同基地からの時間外運用の連絡は11月20日以降、繰り返されており、期間は連続で3週間を超える。

(2018年12月8日朝刊掲載)

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