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NPT閣僚会合を提案 国連の中満事務次長 加盟国に

都内で報告 再決裂の回避狙う

 国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長が7日、東京都内であったフォーラムに登壇した。2020年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議を成功させるため、条約加盟国の閣僚による会合の開催を加盟国に提案したと明らかにした。

 中満氏は「米ロ対立などの負荷がかかる中、会議成功を印象付けるには新しい知恵が要る」と指摘。会議の始めに閣僚会合を開き、NPT体制の堅持が加盟国の安全保障を確保する上で不可欠だとする閣僚宣言を発表するよう、各国に働き掛けていると報告した。

 10月、国連総会第1委員会(軍縮)の非公式な議論の場で、各国に初めて提示。賛意を示す国もあるという。

 15年の前回会議は、核廃絶の進め方や中東非核地帯構想を巡る各国の対立から最終文書を採択できず、決裂した。中満氏は「20年は失敗はあり得ない。成功させるには、各国が核不拡散だけでなく、核軍縮にもコミットするとの政治的メッセージを出すことが必要だ」と強調した。

 日本国際問題研究所(東京)が主催し、約100人が聴講した。(田中美千子)

(2018年12月8日朝刊掲載)

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