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原爆症認定判決 東京高裁も支持 長崎で被爆の男性

 長崎の爆心地から約4・2キロの地点で被爆した山本英典さん(85)=東京都杉並区=が、慢性心不全を原爆症と認定しなかった国の処分を不服として起こした訴訟の控訴審判決で、東京高裁は14日、原爆症と認めた一審東京地裁判決を支持、国の控訴を棄却した。

 2013年に改正された国の認定方針では、疾病の種類ごとに被爆地と爆心地との距離などが一定の条件に当てはまれば原爆症と認め、該当しない場合は被爆線量や既往歴を総合的に考慮して判断する。

 山本さんは条件から外れるが、高裁の垣内正裁判長は、被爆直後の行動や胃がんと大腸がんで原爆症の認定を受けていることなどから「慢性心不全が放射線以外の原因によるものと疑わせる事情はない」と判断。認定申請を却下した国の処分は違法だと結論付けた。

 判決後に東京都内で記者会見した山本さんは「主張が認められて良かった。核兵器の被害がどれだけひどいことか、国が謝罪するまで闘い続ける」と話した。

(2018年12月15日朝刊掲載)

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