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被爆地の視点で平和学打ち出す 広島平和研次期所長 大芝教授が抱負

 広島市立大広島平和研究所(安佐南区)の次期所長に決まった青山学院大国際政治経済学部の大芝亮教授(64)=国際政治学=が7日、市役所で記者会見した。「被爆地の視点から、日本発の平和学を打ち出していきたい」と就任に向けた抱負を語った。

 大芝教授は、広島県が2003年にまとめた平和貢献構想の策定に携わり、05年に同市中区であったパグウォッシュ会議でも来訪するなど、広島と関わりがある。「被爆体験や被爆地の価値観に基づいて、異なる国際政治の理論を生み出す使命がある」。米国発の理論が主流の国際政治学の分野において、被爆地の研究機関の役割をそう語った。

 原爆資料館を見学し、被爆証言も聞く中で、原爆被害の非人道性への認識を強めたという。長崎など国内外の研究機関との連携も重視し、アジア圏の核関連のデータ収集や整理、被爆関連資料のデータベース化を目指すとした。

 任期は4月1日から3年。同大が同月に開設する大学院平和学研究科長も兼務する。「広島の取り組みを次世代につなぐ人材を育てたい」と意欲を見せた。(明知隼二)

(2019年1月8日朝刊掲載)

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