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岩国機事故 対策徹底 在日米軍司令官「再発を防ぐ」

 在日米軍トップのマルティネス司令官は9日、東京都内の日本記者クラブで会見し、米軍岩国基地(岩国市)の所属機が昨年、相次いで事故を起こしたことについて「安全に関わる問題が起きた場合、米軍は根本原因を探り、再発を防ぐ」と述べ、徹底した対策を取る姿勢を強調した。

 マルティネス氏は、同基地所属の空中給油機と戦闘攻撃機が昨年12月、訓練中に高知県沖で接触し、墜落した事故について、隊員の捜索に協力した自衛隊や海上保安庁への感謝を表明。その上で、事故が発生した際、関係者の聞き取りや情報公開を進める手順を解説し、「この安全プログラムに自信がある」とした。

 山口、秋田両県が候補地となっている日本政府の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備計画については、北朝鮮などの脅威を踏まえ「優れたレーダーで、防衛能力が高まる」と歓迎した。

 一方、在日米軍による北方領土への展開についてロシアが懸念を表明している問題については「現時点で米国が戦力を置く計画はない」と明言し、日ロ間の平和条約交渉の進展に期待した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沖への移設問題については「政府と沖縄県が対話を続け、解決に努力してほしい」と述べるにとどめた。

 マルティネス氏は2016年10月から司令官を務め、近く交代する。(田中美千子)

(2019年1月10日朝刊掲載)

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