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原爆文献 75言語検索OK 呉の「リンガヒロシマ」 サイト本格オープン

 外国語で出版された原爆関連の文献を検索できる無料ウェブサイト「多言語で読む広島・長崎文献」が本格オープンした。開設した呉市のグループ「リンガヒロシマ」の中村朋子代表(72)たちが9日、広島市役所で会見し、研究や平和学習での活用を呼び掛けた。

 サイトでは、英語やロシア語、韓国・朝鮮語、中国語など75言語の文献約3500冊を取り扱う。原民喜「夏の花」などの「文学」、永井隆「長崎の鐘」などの「体験記・回想記」、原爆投下を巡る国内外の歴史研究書など「歴史と社会科学」など7分野に分類。書名や著者名、翻訳者名のほか、出版地などでも検索でき、一部の文献は独自の説明文も付けた。

 国内外の研究者たち37人の協力で、多言語でインターネット検索し、可能な限り大学図書館などで現物を確認した。アジアや中東の文献も調べたほか、冷戦期にロシア語で出版されて共産圏に伝わった希少な文献なども発掘した。

 同グループは、広島国際大元教授の中村代表を中心に2014年に発足し、16年に7言語の計275冊を登録した試行版のサイトを開設していた。中村代表は「世界がヒロシマをどう共有してきたのかが浮かぶ。さらに更新を重ねていきたい」とし、文献の情報を募っている。サイトはhttps://www.linguahiroshima.com(明知隼二)

(2019年1月10日朝刊掲載)

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