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アフガンに郷愁 とんど焼き 餅つき 作木住民が招待

 国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所(広島市中区)の職員シャムスル・ハディ・シャムスさん(34)たちアフガニスタン人3人が、三次市作木町上作木の広場を訪れ、とんど焼きを体験した。上作木自治振興区が企画した、地元で続く伝統行事に触れた。

 参加したのはシャムスさんのほか、東広島市で貿易会社を営むクィ・アーマッド・ハレットさん(38)と広島大留学生サフィ・ワリド・アフマダさん(30)。シャムスさんと親交のある同振興区区長の高畑隆雄さん(71)が、内戦が続くアフガニスタンでは住民が主体となった地域行事が滞っているという事実を知り、3人を招待した。

 とんど焼きには、3人のほか、住民約70人が参加。竹などで組み上げた約10メートルのやぐらに、住民たちが持ち寄った正月飾りや書き初めを入れた後、点火した。3人は燃え上がる様子をスマートフォンで撮影し、とんど焼きの意味を住民に尋ねていた。

 きねを手に餅つきを体験したり、餅を丸めたり、その餅を入れたぜんざいを食べたりもした。シャムスさんは「内戦前のアフガニスタンには、こうした集落の行事があったと父母から聞いているが、今はない。とんどはすごく興味深いし、うらやましい」と話していた。(中井幹夫)

(2019年1月18日朝刊掲載)

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