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戦後復興の味 平和思い再現 玖波小5年生が一銭洋食 学習の成果 あす振る舞う

 大竹市の玖波小5年生が27日の「おおたけカキ水産まつり」で、被爆直後の広島で庶民の食生活を支えた「一銭洋食」を来場者に振る舞う。平和や戦後復興をテーマにした総合的学習に取り組んだことがきっかけ。まつりの実行委員会が材料を提供して全面協力する。児童は「平和の尊さを一銭洋食で伝えたい」と張り切っている。(白石誠)

 一銭洋食は広島のお好み焼きの原型とされる。戦前、子どものおやつとして広まり、戦後の食糧難時代に市民の空腹を満たした。5年生16人は、昨年からの総合的学習で被爆者の体験を聞き、一銭洋食と広島の復興をテーマにした劇も創作して理解を深めた。

 担任の蔵重絵梨奈教諭(27)が、学習の成果を地域の人に伝えるため一銭洋食を食べてもらおうと提案。児童も賛同した。同小と交流がある地元のくば漁協の応援を得て昨年10、12月の2回、漁協の直売会で来場客に振る舞った。

 小麦粉の生地にかつお節やネギなどをのせて焼く一銭洋食。練習を重ねた児童が作った一銭洋食は「おいしい」「戦後復興の歩みが分かった」と好評で、児童は自信を得た。

 大竹市の晴海臨海公園であるまつりでは、児童約10人が100~200人分を焼く予定だ。実行委が地元産のカキなどの具材を提供。児童の希望でタコ、エビとイカも加えた豪華版にする。「食べ物がたくさんあり、平和な時代に学ぶことができる。感謝し、心を込めて焼きたい」と隅田千尋さん(11)。児童は会場のステージにも立ち、学んだ成果の発表もする。

(2019年1月26日朝刊掲載)

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