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被服支廠 被爆の証人に 広島市中区で講演

 広島市内で最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)の活用に向け、市民団体「旧被服支廠の保全を願う懇談会」が3日、中区の原爆資料館で講演会を開いた。約70人が原爆報道に携わるアナウンサーの思いに耳を傾けた。

 被爆2世でNHKアナウンサーの杉浦圭子さん(60)=中区=が、被爆地への修学旅行を広めた故江口保さんを取材した経験を紹介。「悲惨な記憶を継承しようとする熱心さに影響を受けた」と述べた。詩人の峠三吉が被爆の惨状をつづった詩も朗読した。

 被服支廠の活用を巡っては県が昨年12月、改修案をまとめた。安佐北区の広津賢明さん(78)は「悲惨な歴史を次世代に伝えるため、活用の機運が高まるといい」と話していた。(東谷和平)

(2019年2月4日朝刊掲載)

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