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オバマ氏協力で千羽鶴 広島再訪願う県立広島大生に届く 「応援している」手紙も

 米国のオバマ前大統領に広島への2度目の訪問を呼び掛けるプロジェクトに取り組む県立広島大(広島市南区)の学生たちが15日、オバマ氏から直筆のサインが入った折り鶴1羽と手紙が届いたと、学内で報告した。再訪の願いを込めて折った999羽を紹介し、折り紙を添えて千羽鶴を完成したいと伝言したことへの返信だった。「心の中に今もヒロシマへの思いがある証し」と感激している。(木原由維)

 「オバマ・プロジェクト」のリーダーで被爆4世でもある人間文化学部4年原大将さん(21)が今月7日、米ワシントンのオバマ財団で受け取った。前日に財団の担当者を訪ね、県内の小中高生や学生が999羽を折ったと伝え、1枚の折り紙を託していた。

 折り鶴は翼の長さが16センチで、オバマ氏がサインをしている。添えられた手紙は「千羽目を共有するのをうれしく思う」と記され、999羽の折り鶴を「無限の可能性を持つあなたたちの象徴」と表現。ミシェル夫人とともに「応援しています。期待しています。世界がより明るく、より美しく共有された未来に向かいますように」とエールを送っている。

 今回の訪問では、県内の小中高生たちがオバマ氏に宛てて、再訪を願う気持ちや核兵器廃絶への祈りをしたためた197通の手紙も渡した。オバマ氏は自身の手紙で「心がこもった感動的なレター」と称賛した。

 原さんは15日、南区の県立広島大広島キャンパスで中村健一学長(72)と会い、結果を報告した。「オバマ氏は、私たちの活動にとても共感してくれていると感じた。これ以上ない励みになった」と喜びを語った。

 プロジェクトは2017年6月に始まり、現在は2~4年生と卒業生計20人が活動している。オバマ氏の折り鶴と手紙は県立広島大で保管し、公開を検討するという。

オバマ氏からの手紙全文

 オバマ氏からの手紙の全文は次の通り。(県立広島大訳)

 親愛なる県立広島大の学生へ

 Nimiさん(注・オバマ財団の担当者)より、昨日共有していただいた内容がとてもすばらしかったと聞きました。そして、私は千羽目の折り鶴をあなたたちと共有することをうれしく思います。その折り鶴は、無限の可能性を持つあなたたちと、心のこもった感動的なレターを書いてくれた生徒たちの象徴です。

 ミシェル(注・オバマ氏の夫人)と私はあなたたちを信じています。私たちはあなたたちを応援しています。そして、私たちはあなたたちに期待しています。あなたたちの世代が、間もなく解決しなければならない困難な課題を引き継ぎ、話し合い続けることで、私たちの世界がより明るく、より美しく共有された未来に向かいますように。

 真心を込めて
 バラク・オバマ

(2019年2月16日朝刊掲載)

 以下はオバマ氏からの手紙の原文です。

Prefectual University of Hiroshima
Hiroshima, Japan

Dear PUH Students:

Nimi let me know about the wonderful meeting you shared yesterday, and I am pleased to share the one-thousandth crane with you ―a symbol of the limitless potential in each of you and each one of the students who wrote me such thoughtful and inspiring letters.

Michelle and I believe in you, we are rooting for you, and we are counting on you to pick up the baton, continue talking about the tough issues your generation will soon need to get to work on solving, and help lead our world toward our brighter, more beautiful shared future.

Sincerely,
Barack Obama

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