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核兵器禁止条約 「批准拡大へ努力」 オーストリア首相が広島訪問

 国連での核兵器禁止条約の採択に主導的な役割を果たしたオーストリアのクルツ首相が16日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、「世界で条約に批准する国が増えるよう努力したい」と決意を述べた。

 原爆資料館では、広島平和文化センターの小溝泰義理事長の案内で、原爆による街の壊滅を伝えるCGなどを見て回った。約30分かけて見学した後、記者団に「非常に悲しい気持ちになり、原爆の破壊力を思い知らされた。条約が世界で認められるよう最善の努力をする」と語った。芳名録には「被爆者と連帯し、核軍縮のために一緒に闘いたい」とつづった。

 これに先立ち、松井一実市長の先導で原爆慰霊碑に花を手向けた。

 また、広島県庁に湯崎英彦知事を訪問。湯崎知事が「条約を主導する姿勢に県民代表として感謝する」と述べると、クルツ氏は「核なき世界や軍縮という共通の目的を持つ広島を訪問できて光栄だ」と応じた。

 オーストリアは2017年に国連で採択された核兵器禁止条約の推進国の一つ。クルツ氏は今年が日本との友好150周年に当たることから来日した。17年12月の首相就任後、初来日で、広島へは本人の希望で訪れた。(加納亜弥)

(2019年2月17日朝刊掲載)

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