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国境超えて対話と協調 ヒロシマ平和創造基金 3団体1個人表彰

 国際交流や平和活動に地道に取り組む団体と個人をたたえる公益財団法人ヒロシマ平和創造基金の「国際交流奨励賞」の表彰式が27日、広島市中区の中国新聞ビルであった。広島県内の3団体と1個人に、表彰状と奨励金が贈られた。

 理事長の岡谷義則中国新聞社社長が一人一人を表彰した後「世界各地で格差と分断が広がっている。対話と協調、共存を目指す草の根交流が一層必要だ」とあいさつ。受賞者を代表し、広島市南区の「カンボジアのこどもたちの歯をまもるプロジェクト」副代表、岩本明子さん(32)が「家庭や学校で歯科保健を学ぶ機会が少ないカンボジアで歯科保健教育に力を入れている。周囲に支えられ、10年を迎えられた」と謝意を述べた。

 受賞者による意見交換もあり、広島在住の外国人に30年以上、日本語を指導してきた中区の「ひろしま日本語教室」代表、光原鈴江さん(65)が4月の改正入管難民法施行に向けて「子どもたちが孤立しないよう居場所づくりを進めたい」と強調した。被爆ピアノを通じた平和学習に取り組む佐伯区の「HOPEプロジェクト」代表、二口とみゑさん(69)は「音楽で子どもたちに平和を体感してほしい」と語った。

 福山市で日韓交流に取り組む韓国人、金美香(キム・ミヒャン)さん(44)は「人と人とのつながりを大切に、小さな支援を続けていく」と決意を新たにした。

 同賞は1998年度に広島国際文化財団が創設した。2012年度に基金が引き継ぎ、本年度で21回目。(桑島美帆)

(2019年2月28日朝刊掲載)

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