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核禁止条約 考え問う 地元国会議員に若者グループ 態度表明迫り内容公開

 広島の若者でつくるグループ「核政策を知りたい広島若者有権者の会」が、地元選出の国会議員たちに核兵器禁止条約への考え方を尋ねて、経過や内容を公開する活動を始めた。日本政府が否定的な立場をとり続ける中、被爆地で選ばれた議員に態度表明を迫り、条約への署名と批准を後押ししていく。

 対象は衆参両院の議員14人。自民党政調会長を務める岸田文雄氏たち県内の選挙区選出の11人のほか、比例選出からも広島との関わりなどから3人を選んだ。面会を求めて、核兵器禁止条約への賛否や、廃絶に向けてどのような行動をとるかを直接、確認する。

 手紙で依頼し、返事の有無や面会の可否などを随時、インターネットで公開する。面会した場合は、その内容もオープンにする。

 同会は、中区のカフェ店主安彦恵里香さん(40)の呼び掛けで1月上旬に発足した。県内の10~40代の学生や会社員たち15人ほどが参加している。

 政治家への働き掛けは、非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))が精力的なロビー活動を通じて条約の成立に尽力した様子を参考にした。昨夏、広島を訪れた中心メンバーのティム・ライト氏に今回の行動のアイデアを披露したところ、「良い考えだ」と背中を押されたという。

 安彦さんは「被爆国の政府が条約に批准しない現状に納得がいかない。広島で選ばれた議員に『なぜ』と問いたい。ぜひ会ってほしい」と話している。(明知隼二)

(2019年2月28日朝刊掲載)

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