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手帳でたどる 原民喜の功績 広島市中区で碑前祭

 広島市出身の被爆作家、原民喜(1905~51年)を顕彰する「広島花幻忌の会」は10日、中区の原爆資料館で碑前祭を開いた。約25人が参加した。原爆資料館が保管している民喜の原爆被災時の手帳などが公開された。

 公開されたのは、民喜が被爆体験を基につづった小説「夏の花」の下敷きとなった手帳と、晩年に文芸誌で発表した「鎮魂歌」など小説4編の直筆原稿。民喜のおいの原時彦さん(84)=南区=が「命を懸けて残した手帳は民喜の作品の原点で、その作品は一生懸命に原爆がどんなものかを訴えている。よく読んで、平和とは何かを考えてほしい」と説明した。

 碑前祭は毎年、民喜の命日である3月13日前後に開いている。このほか、民喜の遺影を前にした黙とうや献花、中学生による民喜の詩の朗読などもあった。

(2019年3月11日朝刊掲載)

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