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忘れぬ3・11 広島で追悼 灯火に願う復興 中区

 東日本大震災の発生から8年となった11日、広島県内各地で犠牲者を悼む催しがあった。東北の大学生が西日本豪雨の被災地を訪れ、被災者と交流。被災地同士が支え合って早期復興を目指す思いも広がった。

 原爆ドーム(広島市中区)対岸の元安川親水テラスでは、東日本大震災の犠牲者を悼む集いがあった。参加者は約500個のキャンドルで描いた「3・11」を見詰め、震災の記憶を風化させない決意を新たにした。

 参加した約500人が午後5時半ごろから、火がともったキャンドルを筒状の紙で覆った。「復興」「希望」「一歩ずつ進んでいこう」…。市内の子どもたちが紙に書いたメッセージが暗闇に浮かんだ。

 参加者は集いの最後に東北の方角を向いて黙とう。震災を機に福島市から広島市安佐南区に移り住んだ公務員猪狩克也さん(45)は「震災の記憶が風化するのが一番つらい。誰もが災害に備える社会になってほしい」と声を振り絞った。

 集いはNPO法人や市民団体でつくる実行委員会が開き、8回目。会場設営を手伝った高校3年神田麗さん(18)=安芸区矢野西=は「西日本豪雨で自宅周辺が被災し、震災をより身近に感じるようになった。今も多くの行方不明者がいると思うと胸が痛い」と話した。(原未緒)

(2019年3月12日朝刊掲載)

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