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核軍縮進展へ提言目指す 賢人会議 京都で開幕

 核兵器保有国と非保有国の有識者が核軍縮の進展に向けた方策を議論する「賢人会議」の第4回会合が22日、京都市で2日間の日程で始まった。4月末に米国で始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委員会に向け、具体的な提言の取りまとめを目指す。

 会議は外務省の主催で、10カ国の委員17人で構成。今回は米国、ロシアを含む8カ国の13人が出席した。座長の白石隆・熊本県立大理事長は「(核兵器保有国と非保有国が)一致して取り組める問題を見いだしたい」とあいさつ。提言をまとめ、日本政府を通じて準備委の議論に反映させる意向を強調した。

 委員の一人で、ドイツのアンゲラ・ケイン元国連軍縮担当上級代表もあいさつし「軍備管理を巡る国際情勢は極めて悪化している」と指摘。失効が懸念される米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約、中国を含めた軍拡競争の激化などの現状を踏まえた議論を求めた。

 討議は非公開。外務省によると、委員はINF廃棄条約をはじめとする軍縮の課題について危機感を共有し、提言の取りまとめに向け国際社会が取り組むべき方策などについて意見を交わしたという。

 賢人会議は核兵器保有国と非保有国の信頼関係を再構築するため、日本政府が設置を提唱。第1回会合が2017年11月、被爆地の広島市で開かれた。18年には核戦力の透明性の向上、核軍縮の検証の仕組みづくりなど28項目の提言をまとめた。(明知隼二)

(2019年3月23日朝刊掲載)

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