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戦争遺産巡るツアー考案 大正大の学生 アジア各地 最終地は平和公園

 大正大(東京)表現学部でメディア論を学ぶゼミの学生たちが、被爆地を含めたアジア各地の戦争遺産や博物館を巡るモデルツアーを考案した。多国籍の若者が共に旅しながら戦争を多角的に学び、ヒロシマへの関心も高める内容。学内であったゼミ対抗の研究発表会で最優秀賞を受けた。

 川喜田尚教授のゼミ所属の3年生14人。昨夏広島を訪れた時にアジア人観光客が比較的少ないと感じ、理由を探ったのがきっかけだ。「あえて広島を通らない旅行ルートを作る」という日本や中国の旅行業界の声も聞いた。海外の人に被爆地への関心を持ち共感してもらいたいのであれば、自分たちも日本の植民地支配や軍国主義の歴史と向き合うべきだと考えた。

 考案したツアーは、10~20代の学生を募集し、韓国の西大門刑務所歴史館▽中国人民抗日戦争記念館▽台湾の慰安婦記念館「阿マの家」▽太平洋戦争の激戦地、フィリピンのコレヒドール島―などを2週間で巡る旅程。広島の平和記念公園で締めくくる。

 ゼミ長の土屋千尋さん(21)は「実現化の予定はないが、このアイデアに関心を持ってもらうことが世界平和への一歩になるはず」と話す。(山本祐司)

(2019年3月25日朝刊掲載)

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