×

ニュース

大正屋呉服店たどる 平和公園レストハウスの前身 写真など資料展

 平和記念公園(広島市中区)の被爆建物、レストハウスの前身に当たる「大正屋呉服店」の軌跡をたどる資料展が、原爆資料館東館(同)の地下1階で開かれている。1945年11月に一帯を撮影した貴重なカラー写真も初めて展示している。7月末までで、無料。

 同店は12年に開業。広島を代表する呉服店で、29年に鉄筋3階地下1階の店舗を旧中島本町に新築した。戦時下の国の統制で43年に廃業。建物は「燃料会館」となり、45年に被爆した。

 展示では大阪の呉服問屋の出資で開業した経緯や、市内有数の繁華街だった同町でもひときわ目を引いたモダンな建物の内外観、被爆前後の様子を、約60点の写真などで解説する。

 45年11月のカラー写真も紹介。まだがれきが散乱する中、燃料会館など鉄筋の建物が残る様子を記録している。米戦略爆撃調査団員だったH・J・ピーターソンさんが撮影し、91年に資料館に寄贈していた。

 同館は「華やかだった戦前から戦後まで、広島の歴史が刻まれた建物だと知ってほしい」としている。市はレストハウスを建設時に近い外観に改修しており、20年7月の再オープンを予定する。(明知隼二)

(2019年4月15日朝刊掲載)

年別アーカイブ