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「核抑止力堅持」 政府の矛盾解説 松江で本紙記者

 核兵器のない世界の実現に向けた道筋を考える講演会が14日、松江市のプラバホールであった。市民ら約50人が聴いた。

 講師を務めた中国新聞ヒロシマ平和メディアセンターの金崎由美記者は、日本政府が核兵器廃絶を掲げながら、米オバマ政権に対して核抑止力の堅持を求めていた実態を解説。小型の「使える核」の開発を目指すトランプ政権と思惑が合致していると指摘した。

 こうした現状を金崎記者は、広島、長崎の被爆の惨禍が伝わり切れていないと分析し、「きのこ雲の下からの訴えを続けてほしい」と呼び掛けた。聴講した松江市の会社員橘ふみさん(42)は「政府の矛盾がよく分かった」と話していた。

 講演会は核兵器禁止条約の締結を全ての国に求める「ヒバクシャ国際署名」を進めようと、県民の会結成を目指す県原水協など7団体の準備会が開いた。

(2019年4月16日朝刊掲載)

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