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被爆体験継承へ日韓連携 広島・大邱 交流団体結成

 市民グループ「核兵器廃絶と平和な世界の実現をめざす大邱と広島の会」が19日、結成された。「韓国の原爆被害者を救援する市民の会広島支部」と地元の「韓国原爆被害者協会大慶(テギョン)支部」が同日、大邱(テグ)市内のホテルで協議。被爆体験の継承と核兵器廃絶運動に取り組み、未来志向の日韓交流を深めることを申し合わせた。【大邱(韓国)発 桑島美帆】

 広島の関係者14人と現地の被爆者22人が参加。大慶支部の韓坂介(ハン・パンゲ)支部長(82)と、広島支部の中谷悦子支部長(69)=廿日市市=が握手を交わした。韓支部長は「今、日韓関係は良くないが、被爆者に国境はない。一緒に核兵器廃絶のため行動し、良い世の中をつくっていこう」とあいさつ。中谷支部長も「広島に来て、戦後の体験を含めて証言をしてほしい」と呼び掛けた。

 1972年から在韓被爆者を支援してきた豊永恵三郎さん(83)は、被爆者健康手帳の取得や渡日治療の経緯を紹介。亡くなった韓国人被爆者の名前を挙げ「彼らの頑張りが今に続いている」と強調。在日韓国人被爆者の李鐘根(イ・ジョングン)さん(89)も自身の被爆体験を語った。

 4歳のときに広島市内で被爆した金成云(キム・ソンウン)さん(77)は「もっと早くこういう取り組みをしたかった。若い人を巻き込み、平和のためにできる限りのことをしていきたい」と力を込めた。

(2019年4月20日朝刊掲載)

韓国語版はこちら(한국어 기사는 여기 있습니다)

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