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折り鶴ノート 羽ばたく 13ヵ国の子どもに3845冊配布

 原爆の子の像(広島市中区)に国内外から寄せられた千羽鶴の再生紙で学習ノートを作り、海外の子どもたちに届ける活動が広がりを見せている。平和団体「ピース マインズ ヒロシマ(川野登美子代表)」が昨年1月に開始以来、協賛企業・団体は約80、配布は13カ国3845冊に上る。

 「折り鶴ノート」はB5判54ページ。表紙の裏などに、川野代表の同級生で像のモデルになった故佐々木禎子さんの願いや核被害の基礎知識、鶴の折り方を日本語と英語で併記する。平和首長会議(会長・松井一実広島市長)とも連携。核兵器保有国の米国と英国、キューバなどの小中高生に贈った。

 米ニューヨークのスタイベサント高では、ヘリンスキ千絵教諭(58)が平和学習に活用している。「再生紙のノートの美しさに感動した」とフェニックス・ザンさん(17)。サラ・ステビンズさん(16)も「世界平和や核拡散問題について考えるようになった」と話す。

 「ピース マインズ」は広島県中小企業家同友会の有志で発足し、最初に1万1千冊を作製した。協賛の輪を広げ、増刷につなげたい考えだ。桜井剛司さん(56)=安佐南区=は「ノートを手にした子どもたちが平和へのアクションを起こすきっかけになってほしい」と話す。(桑島美帆)

(2019年6月3日朝刊掲載)

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