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原爆死没者名 心を込め 広島市が名簿記帳始める

 広島市は7日、市役所で原爆死没者名簿の記帳を始めた。昨年8月6日以降に亡くなったか、死亡が確認された被爆者の名前を書き加え、今年8月6日に平和記念公園(中区)で営む平和記念式典で原爆慰霊碑に納める。

 市が今月6日までに新たに把握した死没者は2232人。ともに被爆者で元市職員の池亀和子さん(77)=南区=と中本信子さん(76)=同=が作業を始めた。名簿を前に手を合わせて黙とうし、死没者の名前や死亡年月日、年齢を筆で丁寧に書き込んでいった。

 19回目の記帳となる中本さんは「今の広島を築いた一人一人に感謝しながら書いていきたい」。30回目の池亀さんは「74年間、いろいろな悲しみや苦しみを越え長生きされたと思う」と一つ一つの名前の重みを感じていた。

 名簿は、昨年8月5日までに31万4118人の名前が記載された114冊と「氏名不詳者多数」と記した1冊のほか、遺族が広島での奉納を希望した長崎の被爆者9人の名前を記した1冊がある。

 市は8月5日まで記帳を受け付ける。市原爆被害対策部調査課☎082(504)2191(平日のみ)。(明知隼二)

(2019年6月8日朝刊掲載)

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