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核兵器廃絶の思い ローマ法王に訴え 「高校生平和大使」松田さん

 核兵器廃絶を訴える「高校生平和大使」の広島大付属高2年松田小春さん(16)=広島市南区=が今月、バチカンのサンピエトロ広場でローマ法王フランシスコの一般謁見(えっけん)に参列し、法王に廃絶への思いを伝えた。法王は11月に来日し、被爆地を訪問する意向を示しており、その実現も要請した。

 松田さんは長崎県内の平和大使と2人で19日に現地を訪れ、一般謁見に参列した。法王と直接やりとりする機会があり、原爆ドームの写真などを手に「広島と長崎を訪れて被爆者のために祈り、一緒に平和を願ってほしい」「私たちはノーモア・ヒロシマとナガサキを訴え続けます」などと英語で伝えた。法王はうなずきながら耳を傾け「11月に」「被爆の事実を忘れないで。活動を続けて」などと答えたという。

 松田さんは16日に平和大使に任命され、今回が最初の活動。核兵器廃絶への署名集めなど大使の活動や自身が応募した理由などをつづったB5判の手紙5枚を法王に手渡した。

 一般謁見への参加は、平和大使を任命し、活動を支援する市民団体「高校生平和大使派遣委員会」が企画。メンバー1人が同行し、20日に帰国した。松田さんは「法王からは、被爆地訪問への意欲を感じた。被爆者の高齢化が進んでおり、ぜひ広島に来て直接話を聞いてほしい」と願う。(神田真臣)

(2019年6月25日朝刊掲載)

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