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8・6デモの拡声器規制 広島市議会委で賛否

 8月6日に広島市中区の平和記念公園である平和記念式典の静粛の確保に向けて、市は24日、市民アンケートの結果を市議会総務委員会に示した。式典に参加、または視聴した人の約7割が条例でデモの音を規制するべきだと回答。市が被爆75年の来年に向けて、拡声器の使用を制限する条例の検討を始める考えに対し、委員からは賛否の意見が出た。

 アンケートは昨年12月に実施した。過去5年に式典に出席またはテレビなどで見たことのある市民1090人のうち、60・3%がデモの拡声器の音を「うるさい」と回答。69・1%が「条例を定めて規制するべきだ」とした。

 市議会総務委員会では、碓井法明氏(創生クラブ、東区)が「千人を超える市民の式典への考えが初めて明らかになった。たいへん重い結果」と述べ、条例制定を急ぐよう市に求めた。一方で近松里子氏(共産党、中区)は「うるさいという主観で憲法が保障する表現の自由を制限するのは、根拠が不十分だ」などと条例化に反対した。

 市民活動推進課の山根孝幸課長は「式典中のデモの音は参列者の心情を害し、式典の目的を達成する公共の福祉を損ないかねない。表現の自由との調整が必要だ」と説明。来年の式典に向けてデモの拡声器を規制する条例制定も視野に検討を進める考えをあらためて述べた。(永山啓一)

(2019年6月25日朝刊掲載)

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