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移設原爆碑据え付け 小屋浦 犠牲者名など墨入れ

 原爆投下後に多くの被爆者が救護された坂町小屋浦地区で26日、犠牲者を弔う原爆慰霊碑を、移設先の小屋浦公園に据え付ける作業があった。昨年7月の西日本豪雨での土砂崩れ被害などを踏まえ、安全のため移設を進めていた。

 この日は、32年前の建立に携わった石材店経営金子建治さん(58)=坂町=や社員たちが作業した。高さ約1・3メートルの慰霊碑本体をクレーンでつり上げ、自然石をあしらった土台に設置。慎重に水平をとり、コンクリートで固定した。

 碑に刻まれている確認できた犠牲者93人の名や、碑文などには、移設を機に墨を入れ直した。周辺の整地などを含め7月中旬ごろの完成を見込む。移設前に碑の周りに自生していたヤブツバキも移植する。

 碑を管理する地元の「原爆慰霊碑を守る会」の西谷敏樹代表(73)は「災害で大変な中、慰霊碑の移設は二の次になってもおかしくなかった。協力してくれた人や町に感謝したい」と作業を見つめた。8月6日は碑前で慰霊式典を開く。町は同日までに、移設場所を知らせる看板を元の場所に設置する。(明知隼二)

(2019年6月27日朝刊掲載)

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