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基町高生「原爆の絵」完成 被爆者に披露

 広島市中区の基町高創造表現コースの2、3年生11人が、被爆者5人から体験証言を聞き取りながら描いた「原爆の絵」11点を完成させた。1日、同校で被爆者に披露した。

 大やけどを負った親子が水を求める様子や、家族の遺骨を家の焼け跡から掘り出す場面など、5人が原爆投下後に見た光景や体験を油絵で表現した。昨年8月から作業を開始し、絵として描く現場へ一緒に出向いたり、原爆関連の資料を調べたりしながら仕上げた。

 3年の河元愛香さん(17)は、当時12歳だった笠岡貞江さん(86)が見た、江波町(現中区)の自宅近くで真っ黒に焼けて亡くなっていた人の姿を描いた。「この絵を見る人に、犠牲者や周囲の人たちの表情と心情を想像してほしい」と河元さん。笠岡さんは「対話を重ねながら出来上がった絵。苦しみながらもよく描いてくれた」と話した。

 同校は2007年度から「原爆の絵」に取り組んでいる。原爆資料館に寄贈し、被爆証言の際に活用されている。(新山京子)

(2019年7月2日朝刊掲載)

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