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不戦の願い 折り鶴に込め 大竹の老人ホームで1800羽

 大竹市小方ケ丘の介護付き有料老人ホーム「コリーナ小方」の入所者が、8月6日の原爆の日に合わせ、初めての折り鶴作りに励んでいる。80~90代の15人ほどで、3月に始めて約1800羽を仕上げた。被爆した人もいて、「戦争は二度とあってはいけない」との強い決意を込める。

 入所者の女性10人が6月下旬、ホームの食堂兼休憩スペースに集まり、テーブルに広げた折り鶴と向き合っていた。目標数はほぼ折り終えていて、色ごとに集め直したり手直しをしたり。世間話を交え、思い思いのペースで作業が進む。

 きっかけは、ホームを訪れるボランティア中川和子さん(66)=三ツ石町=の呼び掛けだった。「指先の運動になる」と3月から取り組み、8月6日を目標に定めた。参加者は徐々に増え、作るスピードも速まった。週1日だが、自室で折る人もいて、1人平均100羽以上にまで広がった。

 被爆者の90代女性は「水を求める子たちの姿が忘れられない。戦争は、何が何でも嫌」。不戦の願いを込めて色紙を折っていった。

 中川さんは「熱心に作ってくれた。来年も続けたい」と喜ぶ。「入所者一同」の名前で、施設職員たちと18日に広島市中区の平和記念公園を訪れてささげる予定だ。(白石誠)

(2019年7月4日朝刊掲載)

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