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二葉あき子さん歌碑訪問 扇ひろ子さん「同じ被爆者」平和決意

 広島市南区出身の歌手で被爆者の扇ひろ子さん(74)=東京都=が4日、被爆者で生前に交流があった東区出身の歌手二葉あき子さん(1915~2011年)の歌碑を初めて訪ねた。歌碑の建立委員会のメンバーたち10人が迎え、二葉さんの生涯を振り返った。

 歌碑は東区二葉の里にあり、高さ1・8メートル、幅3・2メートル。被爆70年と二葉さんの生誕100年に合わせて15年、同委員会が寄付金を集めて建てた。扇さんは同委員会の上村和博事務局長(77)から、碑に記された二葉さんの代表曲「夜のプラットホーム」が戦地に行く兵士を見送る情景を歌っていると説明を受け、碑の説明板から流れる歌に耳を傾けた。

 扇さんは生後6カ月の時、当時の段原中町(現南区)の実家で被爆。二葉さんとは同じレコード会社に所属していた。「二葉さんは原爆や戦争の犠牲者への鎮魂の祈りを込めて長年、歌い続けた。同じ広島で被爆した者として戦争がいかに恐ろしいものかを伝えていきたい」と決意を新たにしていた。(山下美波)

(2019年7月5日朝刊掲載)

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