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被爆死814人 遺族発見を 広島市、名簿全国発送

 原爆の日を前に、広島市は5日、平和記念公園(中区)の原爆供養塔に納められた原爆死没者約7万人の遺骨のうち、名前が分かりながら遺族が見つかっていない814人分の名簿を全国の自治体など1976カ所に発送した。17日から10月末まで掲示してもらい、情報提供を求める。

 名簿はB1判とB2判。五十音順で名前が並び、一部の名前は手掛かりとなる死亡時の年齢や住所が添えられている。この日、市役所で市職員2人が発送用の封筒に詰めた。全都道府県などのほか、各地の被爆者団体などにも送る。JR広島駅(南区)など市内の192カ所にも届ける。

 市は1968年に名簿を公開し、85年に全国発送を始めた。公開以降、2017年11月までに846人分の遺骨を引き渡した。18年度は8件の問い合わせがあったが、引き渡しにはつながらなかったという。

 市原爆被害対策部調査課の間所英二課長は「被爆から74年を迎えようとする中、情報を寄せてもらうのは難しくなっているが、掲示で原爆の被害を知ってもらう意義もある」と話している。(水川恭輔)

(2019年7月6日朝刊掲載)

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