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広島市中区 被爆者と若者の役割討論 核廃絶 正しい知識で訴え

 平和活動を続ける若者と被爆者が意見を交わすフォーラムが7日、広島市中区の原爆資料館であった。街頭署名や海外での原爆展などに取り組む10~20代の5人と被爆者1人が壇上で討論し、核兵器廃絶に向けた若い世代の役割を考えた。

 外務省のユース非核特使として4月、米ニューヨークであった核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会に派遣された修道高2年山口広貴さん(16)は、現地の若者から核兵器使用を肯定する発言を聞いた。その経験から「意見が異なる相手を説得するには、正しい知識を学ぶ必要がある」と強調した。

 被爆者と対話を重ねつつ被爆当時の光景などを描く「原爆の絵」を制作している基町高3年門脇友春さん(18)は「描き手と被爆者両方の思いが詰まっている。だから説得力のある作品になる」と意義を語った。

 被爆者の末岡昇さん(82)=東区=は「ネットや映像を通じた発信など、若い人の独創性に期待している。核兵器廃絶には、その恐ろしさと非人道性への『共感』を広げることが鍵になる」と訴えた。

 核兵器禁止条約が国連で採択されて7日で2年を迎えたのを機に、広島平和文化センターと、条約を推進した赤十字国際委員会(ICRC)が主催。ICRCのマグナス・ロボル軍事ユニット政策顧問の講演もあった。(加納亜弥)

(2019年7月8日朝刊掲載)

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