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聖火リレー「平和届ける」 広島で来年5月 知事意欲

 広島県の湯崎英彦知事は9日、2020年5月に県内を走る東京五輪の聖火リレーについて、被爆75年の節目を迎える広島から平和への願いを世界に届ける機会としたい考えを示した。

 2日間の聖火リレーは、初日に平和記念公園(広島市中区)でゴールする。湯崎知事は記者会見で「平和の象徴の聖火とともに、復興した広島の姿を世界に発信する。紛争やその後遺症に苦しむ人に、夢と希望を届けたい」と意気込んだ。

 コースとなる12市町には昨年7月の西日本豪雨の被災地も含まれる。「復興に向けて頑張っている姿を見てもらうことは、被災地にとっても元気が出る。聖火が希望の光となり、被災者の気持ちを勇気づけられればうれしい」と望んだ。

 県などでつくる実行委員会は今月1日から8月31日まで、ランナーを公募している。応募人数は大会組織委員会の意向で明らかにできないとした上で「すでにたくさんの応募をいただいている。県全体を盛り上げてくれる方に、ぜひ応募してほしい」と呼び掛けた。

 ハンセン病患者の隔離政策による家族への差別被害を認め、国に損害賠償を命じた熊本地裁判決について、安倍晋三首相が「控訴しない」と表明したことには「厳しい経験をされた家族の救済を第一に考えるという点で、勇気あるすばらしい判断だ」と評価した。国の動向を踏まえて、県も適切に対応していくとした。(村田拓也)

(2019年7月10日朝刊掲載)

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