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「平和考える人集う場に」 平和都市法70年 中区でシンポ

 広島の戦後復興の礎となった広島平和記念都市建設法の制定70周年を記念するシンポジウムが13日、広島市中区の原爆資料館であった。市と日本都市計画学会中国四国支部の主催。有識者がこれからの平和都市の役割などをテーマに議論し、約200人が聴いた。

 市の担当者が冒頭、1949年8月施行の同法の趣旨を解説。広島を恒久平和の実現に向けた「理想の象徴」と位置付け、平和記念公園などの整備の基礎となったことを説明した。

 続いて、東京外国語大大学院の篠田英朗教授が基調講演した。平和構築に携わる人材を育ててきた自らの経験を踏まえ「広島の戦後復興への国際的な関心は高い。平和を考える人が集う場としてさらに力を発揮できる」と強調。海外からの観光客や人材の受け入れ態勢の強化を課題に挙げた。

 パネル討議では、都市計画の専門家たちが平和都市の役割を議論。日赤長崎原爆病院の朝長(ともなが)万左男(まさお)名誉院長は「(法整備が支えた)都市の復興は被爆者の生活を改善した」とする一方、「放射線による後障害は今も終わっていない」と指摘した。(明知隼二)

(2019年7月16日朝刊掲載)

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