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上関原発補償金 過半数の漁協39人が拒否申し入れ

 上関原発建設計画に伴う漁業補償金を拒否してきた山口県漁協祝島支店(同県上関町)が一転して受け取りを決議した問題で、祝島支店の組合員の半数を超す39人が22日、受け取りを拒否する申し入れ書を下関市の県漁協本店に提出した。

 申し入れ書が支店の意思を示す法的な根拠にはならないが、組合員の過半数が反対していることを強調する狙いがあるとみられる。

 書面には正組合員53人のうち31人と准組合員8人が署名。過去の集会で受け取り反対が賛成を上回っていたこと、その後は補償金問題を協議しないことも決めていたと強調。本店がこれを無視して補償金問題を議題にし「無責任で正確性の担保されない方法で決議が強行された」と批判し、決議自体が存在しないと主張している。

 これに対し、本店の仁保宣誠専務理事は「定款に基づいた正当な集会で決議も有効」とし、早期に補償金配分の手続きを進める考えを示した。

 中国電力からの補償金約10億8千万円は、支店が受け取りを拒否したため本店が管理してきた。しかし、支店は2月28日、本店が招集した組合員集会では賛成31、反対21で受け取りを一転決議した。

 申し入れ書を提出した正組合員の岡本正昭さん(63)は「投票することも事前に知らせず、本店が勝手に集会を開いた。決議は認められない」と話した。同行した田川章次弁護士は、県漁協に配分の動きがあれば、配分禁止を求める仮処分を山口地裁下関支部に申請する考えを示した。(久保田剛)

(2013年3月23日朝刊掲載)

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